トラウマ・リカバリー・サミット2021

Richard Schwartz

Introduction to Internal Family Systems Model (IFS)

トラウマリカバリーサミット2021年の日本語勉強会でIFSの創始者リチャード・シュワルツ博士の同時通訳を担当させていただきました。同時通訳をやるのは初めてだったのでかなり緊張しましたが、シュワルツ博士の講演は何十回も聞いていて頭に入っていたので問題なく訳せました。

リチャードが家族療法で使っていたゲシュタルトのエンプティチェアーという手法をトラウマ治療に取り入れ、複数の椅子をおいて、それぞれのパーツの椅子に座って、内的パーツとの対話をやり始めたそうです。

そして、パーツをコントロールするのではなく、パーツを理解し、感謝と思いやりの気持ちを持つことで関係性を育むことの大切さを発見した、そんなIFSの成り立ちを語ってくださいました。

そして、後半は、リチャードが実際におこなったIFSセラピーのDemoビデオをみながら、リチャードがところどころIFSの大切なポイントについて解説してくれました。

特に丁寧にプロテクターと信頼関係を築き、承諾を得てから、インナーチャイルドにアクセスする過程を実際のdemoでみれたことは、参加者のみなさんにとってもとてもパワフルで深淵な体験だったみたいです。

こんなふうに世界のサミットに日本語で同時通訳をさせていただく日が来るなんて思ってもみませんでした。ひとえに大尊敬するリチャードのワークを日本に広めたい、そんな思いからチャレンジさせていただきましたこと、快くこのような大役を私に務めさせてくださった関係者のみなさまに心から感謝します。

Janina Fisher

Transforming the Living Legacy of Trauma

そして、もうひとり、私が敬愛するジェニーナ・フィッシャーさんの講演の通訳もやらせていただきました。ジェニーナは、IFSやセンサリーモーター療法をベースにした独自のトラウマ療法を伝えてくれています。

今回のレクチャーでは、ジャニーナの新書のタイトルにもある Transforming the Living Legacy of Trauma 「トラウマの生きた遺産を変容する」にまつわる内容が多く含まれていました。トラウマを抱えている人は、自分の症状がトラウマから来ているとは気が付かず、日々トラウマ的できごとの後遺症に苦しんでいる、これを「生きた遺産」として抱えているのだと。

そして、トラウマサバイバーが自分で自分に起こっていることを理解することの大切さ。理解することで自分でトリガーをマインドフルネスにみていけるそんな心理教育の大切さについて語ってくださいました。

この本はワークブックになっていて、自分でできる練習が紹介されている本です。今回のレクチャーに、ジェニーナさんは練習し続けることの大切さを語っていました。ダンスを練習するように、よりより行き方をこつこつ練習する、そのためにこの本を創ったのだそうです。

近いうちにこの本をベースにした勉強会を主催したいと考えています。またお知らせさせていただきますね。